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第68話:断面中央部があらい理由
では毛の中央付近にあらい面が生じてしまう理由を考えてみましょう。はじめに刃が髪に侵入します。このときに生じる面が、図3−3の上下の示したきれいな断面(平滑面)です。次に、ある程度まで刃が進んでいくとハサミの動刃と静刃の間が少し押し広げられます。普通のハサミで厚いものを切るときに刃がずれてしまう体験をしたことがあると思います。それと同じ力が髪を切るときにも働いているのです。刃は髪の毛に食い込んでいますので、この刃を押し広げる力によって、髪は引きちぎられてしまうのです。このようにして生じた面が、図3−3の中央に示したあらい断面になります。
 
このあらい断面を減らして滑らかな断面を増やすには、ハサミの刃の鋭さが必要になります。鋭い切れ味の良い刃で髪を切ることによって、動刃と静刃が押し広げられる力を受けにくくなり、刃と刃の間のすき間が減ります。引きちぎる直前のモデル図を図3−4に示します。図3−4(a)がすき間(クリアランス)が広がってしまった時、図3−4(b)がすき間の小さい場合です。つまり、図3−4(b)のような場合に、あらい断面を減らすことができ、ハサミに加わる力も少なくなります。この結果、あらい断面を減らすことは髪に良いだけでなく、余計な力がいらないので美容師、理容師の手の負担軽減にとっても良いといえます。