“ヤツら”と“博士たちが”生み出した!
博士たちとつくったモンスターSOLIDのここがスゴい!
安定感の悪いハンドルやバランスの悪いシザーでは、カット時にシザーがふらつかないようにするため、不必要な筋力を消費しています。たとえ小さな力でも一日に数え切れないほどの開閉動作が必要なスタイリストでは腱鞘炎などのトラブルの原因になります。新しい設計思想の「G-SHI FT」では、シザーの重心を手に近づけつつ、開閉時の遠心力が増加しないバランスにセッティング。手に吸い付くような新しいハンドルと合わせて刃先を安定させ、カット時の“ふらつき”を防止します。
引用元:青木祐香里「美容用鋏の持ち方の違いが使いやすさに及ぼす影響」(上野研究室、平成23年度卒業研究)
刃とハンドルをつなぐ大切な役目であるネジ部に9個の精密ボールを使用したベアリングを搭載。流れるようにスムーズな動きが可能になりました。
新しいSOLID は、素材の特性を最大限に発揮させるために徹底した温度管理のもと特殊な焼き入れ(エクストラマライズ処理)を施しています。これによりハサミにとって必要な“硬さ”と充分な“強度”を得ることができるのです。今回、材料工学に詳しい朝倉博士の協力のもと適切な熱処理をした新製品SOLIDの組織を解析しました。適切な処理をしているSOLIDと、していない別の素材を比べるとその差は歴然です。熱処理の仕方で寿命が大きく変わることが証明されました。
Extramarise®(エクストラマライズ処理)
エクストラマライズ(登録商標)とは、ヘアカットシザーズの「良い刃」に必要な3つの条件、<組織><刃角度><硬さ>を高度にバランスさせるために、ミズタニの90年以上にわたる経験とデータから独自に生み出されたヘアカットシザーズに最適な熱処理*のことです。
熱処理※
刃物の鋼材は熱処理によって大きく変わります。素材に添加されたコバルト・モリブデン・バナジウムなどのレアメタルの特性を生かし、切れと耐久性をもたせるためにもその素材に適した熱処理を施さなくてはなりません。
「焼きを入れる」という言葉を聞いたことがあると思います。ハサミに用いられる鋼材は、そのままでは硬さを得ることができません。ヘアカットシザーズで使われるステンレス鋼の場合、1000℃以上の高温から急激に冷やす「焼き入れ」をすることで必要な硬さにしています。(ステライトなどのコバルト基合金はこの限りではありません。)また、焼きを入れるだけでは硬いだけで非常にもろいので、強靭さを与えるために「焼き戻し」という処理をします。さらに高級刃物では、マルテンサイト変態しきれていない組織(残留オーステナイト)について、後々の変形(経年変化)を防ぐためにマイナス100℃以下に液化窒素などで必要時間保持する「サブゼロ処理」を焼入れと焼き戻しの間に施します。
「焼き入れ」「焼き戻し」「サブゼロ処理」の条件には無限の組み合わせがあり、高額でデリケートな素材の持つ性能を引き出すためには豊富な知識と経験が必要とされます。ミズタニでは膨大な経験とデータから導き出された最高度の熱処理であるエクストラマライズ処理によって、素材の持つ確かな性能をご提供します。
千葉工業大学 工学部 デザイン科学科 教授
工学博士 上野義雪 先生
学会:日本インテリア学会理事/日本オフィス学会理事/日本トイレ協会理事 ほか
研究分野:人体寸法、動作寸法、生理計測、いす、シート、ベッドの人間工学、水回り設備の人間工学、筆記具、道具の人間工学、その他
著書:『みんなでつくる学校トイレ 心のバリアをとりのぞく』学校のトイレ研究会、『図説エルゴノミクス』日本規格協会、『インテリアの計画と設計』彰国社
東京大学大学院 工学系研究科 マテリアル工学専攻 教授(東武医学技術専門学校 非常勤講師)
工学博士 朝倉健太郎 先生
研究分野:超々臨界圧発電システム、自動車用複層鋼板,電子顕微鏡による材料の分析と開発、その他
著書(単行本):顕微鏡のおはなし、不織布のおはなし(日本規格協会)、マグロ観察と新型顕微鏡Q&Aなど顕微鏡シリーズ5冊、刃物あれこれ(アグネ技術センター)